きいちゃんママさん 001 [私の出産] | 第3回ぐるっとママ懸賞作文

「私の出産」~母から子へ伝えたい言葉~

第3回ぐるっとママ懸賞作文

きいちゃんママさん 001 [私の出産]

何がいけなかったのだろう
あなたの成長が私の心の安定剤 大きくなってくれてありがとう


産休に入ったら水通しして…美容室行って
忘年会行けるかな?
マタニティフォトはスタジオで撮るか
家でセルフフォト!?
そんな浮かれた考えがだめだったのかな…

「めぇ〜めぇ〜めぇ〜」
12月5日14時。か細いながらも
芯のある声で泣いてくれた娘。
予定日より1ヶ月半早く私たちの元に
産まれてきてくれた。身長39.3cm 体重1480g。
私の予想していた「赤ちゃん」ではなく.
赤黒く大人の親指ほどの太もも.触ると折れそうな腕…
産まれて2日目には1300g台になった。
正直.可愛いよりも.とんでもないことをしてしまった…
この子はこれからどうなるんだろう…
そんなことばかり考えていた。

 出産する5日前.勤めていた保育園を退職し
さぁこれから赤ちゃんを迎える準備ができる!と
楽しみにまずは検診へ。
検尿に血圧測定.体調に変化もなく
いつも通りのはずだった。

しかし血圧測定器から初めて聞くアラーム音。
看護師さんが手動で測るも測定不能。
バタバタと慌ただしくなる診察室。
私は横になったまま今後の説明を受けた。

血圧が高く尿蛋白も出てる為.今から救急車で
国立病院に行ってもらうという事。
赤ちゃんを出すのが3日後になるか
1ヶ月後になるかは私の体調次第。
「妊娠高血圧症候群」になっていた。

たくさん説明されたが私自身.具合悪い所がなく
「1回帰って洗濯物を取り込んできてもいいですか?」と質問した。即却下.そりゃそーか。

救急車に乗り画面で見たその時の血圧は
上が182下93。
MFICU(母体胎児集中治療室)に入り
移動していいのは個室内にあるトイレのみ。
朝昼晩の血圧測定。
一日中ベットの上で過ごし正直退屈だった。

入院5日目の朝.
「コンコン…血圧ですが.薬を飲んでも
下がってないのと尿蛋白がMAX出てるので.
赤ちゃんとお母さんの為にも今日出産しましょう」

「え?私はまだ大丈夫ですよ!」

「33wは超えてるから自発呼吸できるし、
無理してお母さんの身体に何かあったら大変だよ」

私は何回も確認した。
「こんなに早く産まれても赤ちゃん絶対大丈夫ですよね?」「小さくてもみんなに追いつきますよね?」

説得されること15分…
不安だったが今日出産することに納得した。

そうと決まれば慌ただしく手術の事前準備が始まり、
家族が集合。
車椅子で手術室へ移動し.自分で手術台へ。

13時.まずは腰からの局部麻酔。
エビみたいに丸くなって!と
何回も言われ大きなお腹を必死に丸める。
一瞬ビリビリと足先に電気が走り.
どんどん下半身が重くなってくる。
保冷剤を何回も当ててもらい麻酔が効いてるか確認。
既に感覚はなかったが.恐怖心から
「まだ冷たいのわかります」と最後の抵抗。
胸から下の麻酔なので手も動くし意識も
ハッキリあった。

手術開始。
肝心なお腹は何か引っ張られてるような違和感に
うーっと耐える。気持ち悪い…気持ち悪い…
ひたすら気持ち悪い…
上のライトに赤く映っていたが見ないように
目線をそらす。

段々と周りの雰囲気が慌ただしくなってきた。
保育器も運ばれてきた。
もうすぐかな!?と思った矢先
「めぇ~めぇ〜めぇ~」赤ちゃんの泣き声。
泣いてる!産まれた!よかった!

14時.娘誕生。

一生懸命泣き.手足をじたばたしている姿を見て
溢れ出す涙。
せっかく顔の近くに連れてきてもらったが
正直.涙でほぼ見えず。
赤ちゃんはすぐ保育器に入りNICUに運ばれた。

「大きくなぁれ」この日から何回も何回も願った。
 約2ヶ月.NICUで沢山の方にお世話になり
2300gを超えたところで退院。

あれから5年…さぁ来年は一年生!!
定期検診の度に不安になる母をよそに
見た目も中身もあっという間に
周りに追いついた娘。

時間の経過とともに罪悪感は減ったが
やっぱり何がいけなかったのだろうと
今でも考える。

でも元気だからいいや!!と繰り返す日々。

大きくなってくれてほんとにありがとう。
よく食べよく笑い.娘の成長が私の心の安定剤!!

 
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